五十嵐靖晃 海渡り

海辺の集落を見守るように島の頂に鎮座する弁天様。島へは潮が引いたときに歩いて渡ることができます。明治時代にはすでに執り行われていたとされる集落の「弁天様のお祭り」も、近年は高齢化などにより継承が難しくなっていました。
2018年、地域資源をアートにより再評価し、町の活性化につなげるアートプロジェクト「つなぎまちのつなぎかた」がアーティストの五十嵐靖晃により始まりました。3年に及ぶリサーチと対話により2021年に生み出された《海渡り》は、古くから地域に伝わる弁天信仰を住民とともにアートの力によって再構築し、町内外の人々の協力を得ながら後世に受け継いでゆくことを目指して毎年行っている、新しいかたちのアート作品です。

五十嵐いがらし靖晃やすあき

アーティスト

1978年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。アートとは「自然と人間の関わりの術」であると考える。2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約4000㎞を航海した経験から“海からの視座”を活動の根底とする。代表的なプロジェクトは、樟の杜を舞台に千年続くアートプロジェクトを目指す福岡県太宰府天満宮での《くすかき》(2010~)、漁師らと共に漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる《そらあみ》(瀬戸内国際芸術祭2013・2016・2019)、南極にて子午線を糸に見立て世界各地の人と組んだ紐で共に凧を揚げる《時を束ねる》(南極ビエンナーレ2017)など。

作家インタビュー

令和6年 海渡り スケジュール

会場
旧赤崎小学校付近

熊本県葦北郡津奈木町大字福浜165番地 [大きい地図で見る]

観覧料
無料

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